弟子屈生まれの
極寒完熟マンゴー
国産のマンゴーはそのほとんどが沖縄県・宮崎県・鹿児島県といった九州以南で生産されており、4月頃から市場に出回り始め、6月〜7月に旬を迎えます。
そのためマンゴーといえば夏のフルーツというイメージが強いですが、北海道・弟子屈町の「摩周湖の夕日」は12月〜1月にかけて収穫期を迎えます。
通常流通しない冬の時期に食べられるというだけでなく、非常に高い糖度が特徴です。他の地域で収穫された国産のマンゴーが、ブランドとして認定されるための基準となる糖度は15度。「摩周湖の夕日」はそれを更に上回る完熟マンゴーなのです。
では、暖かい南の地方ではなく、冷涼な気候の北海道でこれほど糖度の高いマンゴーを収穫できるのは何故でしょうか?
美味しさの鍵は
厳しい寒さと温泉熱が
生み出す”寒暖差”
「摩周湖の夕日」が栽培されているのは、北海道・弟子屈町。北海道の東部に位置するこの町は、1年のうち100日程が霧で覆われる「摩周湖」や、日本一の大きさを誇るカルデラ湖「屈斜路湖」等で有名な、北海道でも有数の観光地です。内陸部に位置するため冬の冷え込みが厳しく、厳冬期である12月~3月の平均気温は氷点下を下回ります。時には最低気温が氷点下25度にも達する場合や、ダイヤモンドダストが観測される事もある程です。
このように寒さが厳しい弟子屈町ですが、源泉が多く存在する温泉の町でもあります。
町から車で30分程に位置する川湯温泉は、硫黄山を源泉とした日本屈指の強酸性温泉であり、五寸釘を一週間で溶かし消してしまうほどの多量の総鉄イオンや硫酸イオンを含む高濃度の名湯です。この温泉をタンクに入れて循環させる事で、ハウス内の室温をマンゴーの栽培に適した温度に保つことができます。
そしてもう一つ、「摩周湖の夕日」を栽培するために重要なものが「寒さ」です。
マンゴーの糖度を上げるために必要となる寒暖差を、温泉熱と冷涼な気候を利用して人工的に再現することで、極寒完熟マンゴー「摩周湖の夕日」ができるのです。
時間と手間を惜しまず
1本1本丁寧に
ファームの敷地内には30棟ものハウスが立ち並んでいます。1棟のハウスにつき約50本のマンゴーの苗木を栽培しており、ファーム全体での総数はなんと1,000本にも上ります。温度管理・日照管理・かん水・病害虫防除など、マンゴーを栽培するには細やかな世話が欠かせません。加えて、冬の間は吹雪となる日もありますので、ハウスが雪の重みで倒壊しないように夜通しの除雪作業を数日間続けて行うこともあります。
巧みな温度調整が
冬季の収穫を可能に
美味しいマンゴーをつくるためには、室温を高温に保つ事が欠かせません。そのためハウスの中に80℃温泉水を巡らせることで、室温を30℃程に保っています。 ですが、時には温泉熱を調整して、あえて室温を低くする場合もあります。その理由は、花芽(つぼみ)をつけさせるため。マンゴーは気温が高いままでは花芽(つぼみ)が出ないため、2ヶ月間ハウス内を5℃に保ちます。これにより夏にマンゴーが花芽をつけ、その花芽が生長して冬の時期に収穫を迎え、皆様の元に「極寒完熟マンゴー」をお届けできるのです。
高糖度・高品質のための
苗木ポット栽培
マンゴーの栽培方法にはポット栽培と地植栽培の二通りの方法があります。
ファーム・ピープルではポット栽培を導入しております。ポット栽培を行う事で、根の張りを制限、細やかな散水管理により高糖度の品質の良いマンゴーが出来上がります。また、細根の増加により、水分管理や水肥の効果が早い為、より良い果実が出来上がります。
しかし、苗木の生長に伴い、数年ごとに適正の大きさのポットへの入れ替え作業が発生します。生長した苗木は一人では持ち上げられない重さになり、とても重労働です。美味しいマンゴーをみなさまにお届けする為にはとても大切な作業のひとつです。